Google ログインの仕組み:ソーシャルログインを支える OpenID Connect を理解する
ほとんどの Web アプリケーションには、ログイン機能が必要です。 従来のログイン方式では、各サービスごとに個別のアカウントを作成し、IDとパスワードを管理する必要がありました。 このレクチャーで取り上げるソーシャルログインは、Google や Facebook などの大手プラットフォームのアカウントを利用することで、複数のサービスに簡単かつ安全にアクセスできる認証方式です。
目次
ログインとは?認証とは?
認証とは、アクセスしてきた人物が誰であるかを確認するプロセスです。 Web アプリケーションにおけるログインとは、ユーザーがサービスにアクセスする際に、自分のアカウント情報を入力して認証を行うことを指します。 従来のログイン方式では、ユーザーは各サービスごとにアカウントを作成し、ID とパスワードを管理する必要がありました。
ソーシャルログイン
従来のIDとパスワードのログインとは異なる認証方式にソーシャルログインがあります。 「Google でログインする」のようなボタンをみたことはありませんか? それがソーシャルログインの一例です。 ソーシャルログインによって、ユーザーは Google や Facebook などの大手プラットフォームのアカウントを使って、さまざまなサービスにログインできるようになります。
ソーシャルログインの画面遷移
ソーシャルログインでは、利用したいサービスと Google などのプラットフォームとの間を行き来して、認証を行います。 ここでは、ソーシャルログインの1つである Google ログインを例に、ソーシャルログインの画面遷移を確認してみましょう:
- ユーザーがアプリケーションの「Google でログイン」ボタンをクリック
- Google の認証ページへリダイレクト
- ユーザーが Google アカウントでログイン
- Google がアプリケーションに認証情報を送信
- アプリケーションがユーザーを認証し、サービスへのアクセスを許可
このフローにより、ユーザーは新たなアカウントを作成することなく、既存の Google アカウントでサービスを使い始めることができます。
OpenID Connect(OIDC):ソーシャルログインを支える技術
ソーシャルログインの裏側では、OpenID Connect(OIDC)という認証プロトコルが使われています。 OIDC は OAuth 2.0 をベースにしたプロトコルで、認証と認可を提供するための標準化された仕組みです。
OIDC の主要コンポーネント
OIDC の仕組みを理解するためには、次の登場人物を理解する必要があります:
- エンドユーザー:サービスを利用する人
- リライングパーティ(RP: Relying Party):認証を必要とするアプリケーション
- OpenID プロバイダ(OP: OpenID Provider):Google などの認証サービス提供者
OIDC の認証フロー
OIDC の認証フローを簡略化して説明すると、以下のようになります:
- ユーザーが RP のログインページにアクセス
- RP が OP にリダイレクト
- ユーザーが OP で認証
- OP が認可コードを RP に送信
- RP が認可コードを使って OP からトークンを取得
- RP がトークンを検証し、ユーザーを認証
この流れにより、RP は OP を信頼して認証を行い、ユーザー情報を安全に取得できます。
ソーシャルログインの利点
ソーシャルログインには、以下のような利点があります:
- 利便性の向上:新規アカウント作成が不要
- セキュリティの強化:大手プロバイダーの高度なセキュリティ対策を活用
- ユーザー獲得の促進:登録障壁の低下によるコンバージョン率の向上
- 信頼性の向上:大手プラットフォームとの連携による信頼感の醸成
まとめ
このレクチャーでは、ソーシャルログインと OpenID Connect について解説しました。
- Web サービスにソーシャルログインを導入することで、ユーザーは簡単かつ安全にサービスを利用できるようになります
- 開発者側もセキュリティの向上や実装の簡素化などのメリットが得られます。
- ソーシャルログインでは、OpenID Connect という認証プロトコルが使われている